料金所の思い出
その1
普段何気なく使われる高速道路
ほんのチョットの間ですけど
料金所で働いた時があります
結構面白く、また辛くもあった思い出を
ヘタクソな文章等で紹介して行きたいと思います
最初に
料金所はたったの半年強しか働きませんでした
しかも20代前半の若さで何故料金所で働いたか?
正直最初は嫌でした。
その前に働いていた会社の待遇に不満があり
これと言って特技も資格もなく本当は交通管理隊の会社に応募したかったのですが
求人欄に高卒以上と書かれており中卒の私は問い合わせることもなく諦めていました。
当時はバブル時代でどこの会社も人手不足、料金所も例外ではありません
本来は高齢者しか採用しない筈ですが年齢制限を撤廃し私のような若者も働ける職場でした
また学歴も不問であるのが好印象で
待遇面も前にいた会社と比べれば断然よく道路という公共施設で働くのも悪くないと
自分に言い聞かせました、本音は同じ道路の仕事なのでもしかして交通管理隊の会社に
働ける可能性があるのではないかと勝手な希望を持っていました。
面接試験
とりあえず履歴書を料金所の会社に送ると面接日の通知が来ました。
仕事柄スーツなど一着も持っておらず、面接の為にスーツ一式を買いそろえて
転職後の明るい未来?を想像していました。
さて当日は会社を休み緊張しながら面接会場に向いました
面接会場には20人ほど来ており以外と競争率が高そうでしたが
実際にはほとんど採用のように覚えています、各インターの料金所に
欠員を補充するにはとても不足らしくその後も募集を続けていました。
料金所も一応試験があります小学校低学年の計算問題ばっかりですが
やはり高齢者の応募者の中には計算機を持ち出して苦労していた人がおり
係員に注意を受けていました。
その後面接を受けました、聞かれた内容はほとんど忘れましたが
何故若いのに働きたいのか?と聞かれ道路が好きだから答えました
昔住んでいた家の近くがこの道路沿いでよく車を眺めていました
普通は車が好きになるのでしょうが
昼夜を問わず一年中速い速度で車が走るこの道路が好きでした
現在は改良工事を行い遮音壁が設置され眺めることが出来なくなり
少し残念です。
採用
面接から一週間ほどして手元に採用通知が送られてきました
そこまでは覚えているのですがその後働き始めるまでの間の事を
すっかり忘れてしまいました。
確か入社説明と制服合わせがあった筈なんですが
時期を思い出せません(^
^;
初日
自宅から一番近い料金所に無事配置になり新しい職場生活が始まりました
見た目は簡単そうな料金所の仕事ですが
車種の見分け方、機械操作や注意事項を狭いブースの中で
先輩と一緒に入り教わり実際に発券作業をする時は緊張しました
たったの5種類しか車種区分がないのですが
どの区分に当てはめるかの判断に悩みます
間違えて渡せば出口の清算で誤った金額をお客様に請求する事になるので
決して間違えられませんので慎重になり発券が遅れ気味になります
お客様(通行車)はこちらが初心者なんて関係なくドンドン来るのですから
発券が遅れるとアッという間に滞留してしまいます。
もちろん入りたての新人にいきなり発券させるわけもなく
初日の最初は先輩が発券するたびに車種を言ってくれます
それを覚えると発券はしませんが口頭で車種を言い
大体言い当てる事が出来るようになると発券します
結局初日は最期の1時間程度しか発券出来ませんでしたが
数枚程違う車種を入力し誤発行してしまいました
隣にいる先輩に指摘されるので誤発行した通行券はお客様には渡さずに
正規の車種を再発行して渡しますがあんまり多いと当然怒られます
たいした事のない料金所の仕事の筈でしたがとても疲れたのを覚えています
研修期間中
料金所の仕事は入口で通行券を発行し出口で通行券を受け取り料金を精算します
上の初日を見てもらえばわかりますが通行券が間違えて発券される場合があります
出口で間違えた通行券をそのまま処理しますと
お客様にとんでもないない金額を請求してしまいます
お客様自身が気付かれれば良いですが、
大概は不思議に思いながらも支払われて行きます
安い分には苦情も来ませんが逆の場合だと他にも過剰に支払ったのではないかと
お客様が疑い信用問題になりかねませんので入口より出口の方が気を使います
そんな訳で入口を二週間近くかけて覚え一人立ちした後に出口を覚えます
出口はお金のやり取りの他ハイカや回数券などいろんな支払い方法があり
機械操作を覚えなくてはなりません。
後納プレート(料金後払い)などは通行券を機械にかける前に
プレートを機械にかけないと十数桁ある番号を手打ち入力する事になり
大変手間がかかりお客様を余計に待たせる結果になりかねません
その他にも管理用車両等の操作もあり入口と出口が一人でこなすようになるには
1ヶ月以上かかります。
お客様への挨拶
入ってからまず最初ウルサク言われるのがお客様への挨拶等
普通の客商売であれば当然ですが
何故か料金所はムスッとしウンともスンとも言わない
応対をする人が多いんです
普段料金所事務所内ではよく話す人も不思議に、お客様相手には
何にも言わずに料金だけ告げ料金と交換に領収書を渡して終わり
これがスゴクお客様に評判が悪く(当たり前)
お客様の道路公団への印象も悪くなるというので
愛想良くし、必ず「ありがとうございました」等と言うように指示されます
ところがヒマな時間帯であれば大丈夫ですけど
ラッシュ時だと通行台数が多く「ろれつ」が回らなくなり喋れなくなります
とくに24時間勤務の料金所では朝が一番辛く眠くなる時間帯なので
それがお客様から見てムスッとしたように見えるようです
でも一部には本当に態度の悪い人もいるのは事実です
信用問題誤収受
研修期間中にも触れましたが通行料金を間違えて精算することは
(これを誤収受と言い一番やってはいけない事です)
お客様からの信用問題になります。
高いより安ければ良いような事を書きましたが、
あくまで不必要な損害をお客様に与えないと言う意味で
どっちも有ってはならない事です
もし普段と同じ有料道路が理由も無く料金が違えばどう考えますか?
「もしかしたら料金所のオジさん不正しているのでは」と思う人もいますから。
貧乏クジ
私のいた料金所は年中無休の24時間営業
必然的にローテーションになり基本的に24時間拘束16時間労働で
日によって仮眠時間等の変更があります
一番辛いのが午後の九時から四時間の仮眠に入る形態です
こんな時間帯に今時の幼稚園児だって寝ません
布団に入っても一時間くらいは寝れず、もし寝れても
となりの人のイビキで目が覚める事も多く
殆ど寝れずに午前二時からまた仕事です
寝ぼけた状態で仕事をするのですからミスも起きやすく
一旦料金を清算した後間違いに気付き発進した
お客様を呼び止めた事も有ります。
当然ながら少ない金額で清算したお客様は得をしたと思い
そのまま走り去る場合が多く自分の財布から不足分を補います。
一度ポルシェが大型車の通行券を持ってきた事があります
入口が通行券を誤発行したのが原因です
お客様が正規の金額を私に支払った後に走り去りました
お客様に損はありませんが私は寝ぼけていて
気付いているのにもかかわらず修正を忘れてしまい
不足分を自分の財布から出しました(泣)。
寝不足で体はダルイしミスが起き易い夜九時からの仮眠を
貧乏クジと言って嫌がったものです。
続貧乏クジ
貧乏クジの勤務で嫌なのは疲れ果てた時間が忙しい時間に重なる事
仮眠明けで二時間か三時間働くと休憩後二時間か三時間働きます
仮眠明け後五時間勤務時間があり勤務と勤務の間には待機時間と休憩時間が
それぞれ1時間づつあり、待機時間は色々と雑用等と交代で帰ってきた人のお金を清算します
明け方は料金所の事務室に来る人など皆無でのんびりした空気が流れます
そのうち別の仮眠明けの人が起き出してきて交代の為ブースに向い
その後帰ってきた人の清算があります。
たまにですが不思議と朝と夕方はつり銭不足が起きて準備した100円硬貨等
無くなり補充の為ブースに持っていったりして雑用をこなすとさて自分がブースに行く番です。