料金所の思い出
その2


続々貧乏クジ

大体この貧乏クジの最期は忙しい入口かヒマな出口で終わります。
出口は渋滞が始まり通過台数が減るので変な言い方ですがヒマです
入口は通勤時間帯になるので大忙し、
大体2時間に忙しいブースで1400台は軽くこなします。
お客様への挨拶でも触れましたが、
「ろれつ」がまわらなくなり変な挨拶をお客様にして通行券を渡します。
朝ですから当然「おはようございます」ですが、
何回も言ううちに「おはざす」になってしまいます、
2時間1400台だと1時間700台、1分で11〜12台です。
しかも入口前方の一般道の交差点は信号があり青になると集中してきますから、
大体3秒程度に1台かもしれません。
実際3、4分ほど繰返して見てください、どうでしょうか?
発券する際もセンサーに感知しないと券は出てきませんから、
前もって大量に発券して準備する事も出来ません(昔は出来たようです)
センサーが感知してからお客様が横に来るまで1秒弱それまでに車種を判別して、
ボタンを押し発券した通行券をお客様の受け取り易い位置まで出しますから、
手際よくやる必要があります。
朝は入口全てのブースを開放し中央分離帯側から忙しいのですが、
あんまりもたつくと他のブースが忙しくなり少しヒンシュクを買う場合があります(笑)
実際に一番忙しい筈のブースと二番目に忙しいブースで1時間100台程の差が出ますが、
私の場合一番忙しいブースに入った人が遅かったので二番目に忙しい筈の私と
発券台数がほぼ同台数になり予定外の忙しさに(隣の人の遅さ)参りました。
一番驚いたのは調子にのってドンドン発券していると用意した、
1500枚の通行券が交代までに残り4枚になった事です。
これにはさすがに冷や汗をかきました、
ブースに入って来たお客様に通行券がありませんは洒落になりませんから・・。



バイクの後ろはつかないように

自動車の場合、通行券や料金はダッシュボードやイスの上に放って置けば良いですが、
バイクはそうはいきません。私自身は運動神経が皆無に等しいのとスピードに臆病なので、
殆どバイクに乗った事ありません。
料金所での経験上、バイクは財布や通行券の出し入れに分単位の時間がかかる事が多いので、
急いでいる方は他のブースにまわった方が無難です。
とくに雨の日等はカッパを着ていても通行券やハイウェイカード等が濡れる場合があり、
そのままでは清算できずにタオルで拭いたりエアコンの風の吹き出し口に当てて乾燥させます。
あまり酷く濡れた通行券はそのまま機械に入れると中で引っ掛かりエラーを起こし
機械の蓋を空けて取り除かねばなりません。
水分を取り除いた後に通行券の情報を手打ち入力しますから、
バイク1台でも相当な時間がかかります。



いろんなお客様

とにかく通行量の多い料金所なもんでイロイロなお客様がいらっしゃいます。
ある高齢者夫婦のお客様は出口で料金清算の際に通行券が無いと仰るのです
紛失や風で飛ばされるのはよくある事ですが、このお客様は少し様子が変で
受け取っていないと言い張ります、どこのインターから入ったのか聞いてもシドロモドロ
取り合えず事務所に問い合わせ沿線の他のインターに通行券の取り忘れが無いかと
確認しましたが、該当車がなく紛失処理を行い料金を支払って頂く事になり場合によっては
もっとも遠いインターからの料金を頂き後日通行券が見つかった場合に差額をお返しすると
説明しました、すると助手席の奥様?が財布を開け中から通行券を出してきました
事情を聞くと旅行先で立ち寄る観光施設の入場券を集めており、ドライブに来た記念に
通行券を持って帰ろうと思われたそうです。
でも通行券が無いと一番高い料金を取られると聞き慌てて出したようで、
受け取った通行券を機械に入れ料金を頂いて無事終了と思うと、
今度は運転席のご主人が手を出して何かを要求しています、こちらが不思議に思い
どうされましたか?と聞くと通行券を返せと言い出し発進してくれません
さすがに後続車がクラクションを鳴らすので手元の機械で進入禁止の赤信号に変え
隣のブースに誘導し、ご主人に向うと国鉄は使い終わった切符を欲しい旨伝えるとくれるのに
何故道路公団はくれないのかとカンカンです、
通行券はお客様が利用されたインターを証明する物で
料金精算の後も他の問題が起きた場合に確認する為保管する必要があり
切符と性格が違う物だと説明しましたが納得して頂けずサービスが悪いと言ってきました
もう手に負えず上司を呼ぶので一旦発進して端に寄せて待っていて下さいと言うと
急発進して走り去ってしまいました

人によっては通行券って欲しいものなんですね〜、
私自身切符集めに凝ったあるのでわかりますが通行券は残念ながら
差し上げる事は出来ません。あしからず



あ〜あ (T T)

私の働いていた料金所は交通量が多く大型車の比率も工業地帯を抱えるため大変多く
おかげであのディーゼル車の排気ガスで料金所全体が真っ黒です
とくに本来白い筈のコンクリートで出来たレーン(アイランドと言います)が真っ黒になり
路面よりアイランドは一段高くなっておりブースが置かれているわけですが
ブースが置かれているコンクリート製のアイランドと路面の境目が見にくくなり
料金を払う際に段差に気が付かずタイヤを擦るお客様が多く
中にはとても高価なアルミホイールを擦ってしまい落ち込む方もいらっしゃいます
私自身車好きなので何と声を掛けて良いのか戸惑う事もしばしばありました
道路公団も反射シールを貼るなど対策をします、
綺麗なうちは良いですがすぐに排ガスで汚れがこびり付くので
しばらくするとガリガリと擦られます
お客様が料金を支払う際にブースに近づきすぎる場合がよくあります
高速道路の場合は実はドアが二つあり料金集受の際は一つは常に開放して
外側に湾曲して張り出しているもう一つのドアで外と仕切るようになっています
このドアは下半身分しかなくプラスチック製で簡単にスライドして
外に出られるようになっており
たとえお客様がブースより離れたところに止まってしまっても簡単に出られますので
料金所のオジさんに気を使いブース側に寄る必要はありません、
あまり気を使って頂き大事な車のタイヤやホイールを擦られると
かえってオジさんとしましても非常に申し訳ないような気になり困ってしまいます。


怖い思い

料金所って一部警察の手先になります
警察からの要請を受け公団の指令室から管内の料金所に
ナンバーや車種、運転手の特徴など一斉放送がかかり
料金所事務室から各ブースに連絡しオジさんが通行車に目を光らせます
但し万が一見つけても取り押さえたりはしません
料金所のオジさんが逮捕令状など持っていませんから
発見してもせいぜい指令室を通して警察に連絡するだけです
手配車両の中に強盗犯などもおり逃げるついでに料金所のオジさんを襲撃して
お金を奪おうと考えているのではないかと心配になるときもありますが
料金所ブースは頑丈に出来ていますし中から鍵もかけらるので多分大丈夫だと思います
一度あったのが外国人の強盗事件で拳銃を所持しているので
注意するよう指示が来たのには本当にビビリました
他のブースにいる人は事務所に防弾チョッキ持って来いなどと言い出し
その際スイッチを料金所事務所に選択すべきところ間違えてしまい
料金所の路上にいるお客様にも聞こえてお客様が一体何事かと驚いていました
(ちなみに料金所に防弾チョッキはありません)
車両手配があるとそちらにも気を使うのでお客様との料金のやり取りに
ミスが起き易くなります、その上この時は強盗犯で拳銃を持っており
案の定回数券と現金の処理を間違えてしまい事務所に帰って怒られました
結局この時は手配後数分以内に一般道に降りていたのですが
連絡が入ったのが30分以上経ってからでした
おかげで余計な恐怖にかられミスまでしてしまい酷い目にあいました。


言うだけ無駄

よく料金所でお客様に言われるのが「料金が高い」「渋滞を何とかしろ」などです
料金所に言えば公団に言ったことと同じと勘違いされているお客様が多いです
よく天下り等で公団が言い訳に使うのが
「委託先は民間会社なので公団が内部に口を挟めない」
そうです表向きは別の組織です
受託会社が仕事欲しさの(維持)ために
公団が不快感を示すような事を言える筈もありません
多少の苦情や道路に支障があるなど管理上必要な情報であれば
伝わりますが、料金などに関してはあんまり伝わりません
第一不満がありながらも皆さん払っていらっしゃるじゃないですか。


勘違い

高速道路の料金所には主に二つあります
走行距離に比例し出口で料金を支払う方法通行券方式と、
一定区間なら同じ料金で入口で支払う均一料金方式
私の働いていた料金所は前者の通行券方式なので出口で料金を頂きますが
中には勘違いして入口で料金を支払い出口で混乱するお客様がいます
入口で通行券を受け取る筈なのですが均一料金方式と勘違いして
オジさんにお金を渡して走り去っていきます

この手のお客様は何か考え事をしている様子で普段は領収書を受け取らないので
ゆっくりと徐行しながら走り去ります、入口で通行券を渡そうとしても
料金を無理やり押し付け声をかけても気付く様子もなくそのまんまです
出口にきて入口で払っているのに一体どうなんているんだと不思議そうにされますね
入口でいくらかお支払いいただいているのですから出口で正規の料金は頂けません
入口がわかれば料金所の事務室から連絡して確認をしてから差額を頂きます
結構多いんです、このようなお客様。


左ハンドル大嫌い

こう書くと苦情が寄せられそうですが二週間ほどの怪我をした事あるんです
入口で起きたことなんですけど
通行券渡す時にブースから出て車内に腕を入れて
お客様に手渡す時が多いのですが渡した瞬間に急加速すると
車内に腕等が残っている為窓枠などにぶつかる時があります
私が怪我をした時もこのパターンで最初は痛くなかったのですが
事務所に戻ると手首が腫れておりあまり曲がらなくなり
シップを貼って二週間ほどで治りましたが
この時急発進したドライバーは私に「気を付けろ」と怒鳴って
走り去りました、人に怪我を負わせて一体何を考えているのか?
今思い出しても腹が立ち警察に人身事故扱いで届け出れば
良かったと思います。
それ以来素早く腕を車内から引き抜くようにしましたが
車体に擦るような事は多々ありました、左ハンドルのドライバーの方は
くれぐれも気を付けて欲しいです。



料金所の一日その1

朝8時半位?から一日が始まります
出社してまず勤務割りの確認をして勤務最初が出口に入る人はつり銭準備金を受け取り
入口に入る人は通行券の補充を受けます。
朝礼もあり引継ぎや所長から連絡事項を聞き朝礼後にブースに入る人は準備をし
それ以外の人はブースに行ってゴミ収集や周辺の掃除を行います
勤務の単位は二時間が一単位で全員一斉交替が朝にあるほかは一時間単位で勤務をずらし
半分づつ交代します
朝9時前頃に勤務交代し明け勤務の人は通行券の残数確認や補充、
売上金等の精算を行い遅い明け番だと9時半ぐらいに帰宅します
なお勤務の都合上朝の朝礼前にブースから上がって来る
早い明け番のヒラ収受員は朝礼後に帰宅します
役職がつくと早めに上がったヒラ収受員と交代で最期の勤務をしにブースに入ったり
最終確認等の引継ぎ業務がある為に帰宅できず
役職が付くのを嫌がる人も多いです。


2001/2/21追加

料金所の一日その2

基本的に勤務パターンが3種類あります
朝9時からブースに入るパターン、同じく10時からと11時からの3種類で
勤務人員の都合上パターン通りに行かない場合は役職者が調整勤務をします
一番良いのが10時からのパターンで仮眠が夜0時から取れて朝5時から3時間勤務を
こなすと朝礼前に上がる事が出来ます
逆に最悪は前に書いた貧乏クジ(九時から仮眠)の11時からパターン
中間的なのは9時からブースに入り仮眠が午前2時からで仮眠明け後に
2時間働いて帰れるため以外と楽です
基本的に2時間1勤務で1回だけ3時間勤務を行い
24時間中(やや超えます)5回勤務計11時間ブースにいます
仮眠が4時間と準備等1時間休憩がプラスされ他に休憩と待機時間が
4時間ずつあります
休憩は自由時間ですが待機時間は雑用やブースから帰ってきた
収受員の売上金収納立ち会い等や
監視モニターを見たり指令室から連絡を受け交通情報版の操作にあたります
結構仕事あるんです。


高速道路の思い出