有料道路ニュース
その8
(2006年1月1日〜)


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第2名神、建設費25%削減 未着工区間「実現めど」

2006年01月05日




 西日本高速道路(大阪市)は4日、第2名神高速道路の未着工区間(大津市―京都府城陽市と同府八幡市―大阪府高槻市の計35キロ)の
建設費を当初計画より25%以上圧縮するめどが立ったことを明らかにした。
建設費の大幅削減などが同区間着工の条件とされ、同社は関係自治体に用地取得や設計変更などへの協力を要請したうえで、
建設推進の意向を正式表明する見通しだ。

 第2名神の未着工区間の事業費は、03年に約1兆600億円と算出された。
だが、(1)6車線を4車線に減らす(2)時速120キロと想定していた速度を100キロに改め、路肩などを狭くする
(3)予定価格の8割程度で建設資材などを調達する、といった手法で7500億〜8千億円で建設できるめどがついたという。

 第2名神の建設については、道路関係4公団民営化推進委員も務めた作家の猪瀬直樹氏が
「大津から(京都府の)大山崎は、京滋バイパスが開通しており、新たな道路は不要だ」として反対。
一方、西日本高速道路の石田孝会長は「造ることには意味がある」と話している。
今後、国の諮問機関である国土開発幹線自動車道建設会議などで、着工への慎重意見が出る可能性もある。

 第2名神の未着工区間は、03年の政府与党協議会で、
構造・規格の大幅な見直しとコスト削減を図るべき「抜本的見直し区間」に指定された。
45年以内で債務を完済して無料開放することが着工の条件とされ、西日本高速道路が計画を練り直していた。

朝日新聞http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601050009.html


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近畿の高速道3区間、「合併施行」で整備

2006年01月06日




 旧阪神高速道路公団の民営化に伴い、近畿の高速道路3区間が、
阪神高速道路会社と地元自治体、国の3者が共同で建設する「合併施行」方式で整備されることになった。
都市高速に合併施行が導入されたのは初めて。
国は阪神高速の経営安定のため、地元自治体に建設を任せたかったが、
財政難の大阪市などが難色を示したため、3者が負担を分かち合う合併施行とした。

 3区間は(1)淀川左岸線2期(大阪市、4.3キロ、事業費1千億円)
(2)大和川線の一部(大阪府堺市―同松原市、4.3キロ、2千億円)(3)油小路線の一部(京都市、1.4キロ、280億円)。
建設にかかわる地元自治体は淀川左岸線が大阪市、大和川線が大阪府、油小路線が京都市。
政府の06年度予算案に関連予算が盛り込まれた。

 用地買収や建設の費用は3者が分担するが、負担割合は3月までに決める。
開業後の維持管理は阪神高速が行う。
国から当初、事業主体になるよう求められていた大阪市は、合併施行方式の導入について、
「苦しい市の財政事情をくんでくれたと思う」(都市計画課)と話している。

朝日新聞http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200601060039.html


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高速道、計画全線を建設…一部区間は税金で

 国土交通省は13日、高速道路整備計画(9342キロ・メートル)のうち、
事業主の決まっていない未開通区間の19路線(1275キロ・メートル)をすべて建設する方針を固めた。


 月内に国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)を開き、
有識者らの意見を聞いた上で、北側国交相が1月末に各区間の事業主を正式に指定する。

 整備計画で最後まで建設が固まっていなかった未開通区間もすべて建設されることで、
「無駄な道路を造らない」目標で進められてきた道路公団改革は、早くも形骸(けいがい)化した格好だ。

 19路線のうち、中部横断道(山梨県増穂町―静岡市)など採算性の低い一部区間については、
国や地方が税金を使う「新直轄方式」で建設し、完成後の通行料金は無料となる見通しだ。

 一方で、第二東海自動車道(第二東名、神奈川県海老名市―愛知県豊田市)、
近畿自動車道名古屋神戸線(第二名神、大津市―京都府城陽市ほか)などは、
昨年10月に旧日本道路公団の民営化でできた東日本、中日本、西日本の民営高速道路各社が建設し、完成後は有料道路として運営する。

 各社は国交相の指定を受けた後、日本高速道路保有・債務返済機構と建設費や管理費などについて協定を結び、
今年4月から建設に着手する計画だ。
(2006年1月14日3時10分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20060114it01.htm


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「対面すべて4車線化」 中日本高速・近藤会長意向示す

 中日本高速道路会社の近藤剛会長は13日、読売新聞の取材に対し、
同社管内に残る対面通行(暫定2車線)区間171キロについて、
「道路の安全性の確保を最優先させるため、すべて4車線化させる」と述べた。

 同社では現在、新年度以降の新規路線建設計画(管内は529キロ)について、
どこを整備するかを国と協議中だが、4車線化の実施も計画に盛り込むよう求める。

 管内の対面通行区間は現在、東海北陸自動車道(110キロ)、東海環状自動車道(33キロ)など4路線にある。
正面衝突など重大事故の危険性が高く、
岐阜県内の東海北陸自動車道では2004年7月と昨年12月に正面衝突事故が起き、計10人が死傷した。

 新規路線の建設計画でも新たに対面通行区間が生まれ、総延長は約300キロになる見通し。

 近藤会長は「交通量などから対面通行のままで十分との意見もあるが、
安全面で妥協した道路は残してはいけない。段階的にでも必ず4車線化させる」と話した。
(2006年1月14日 読売新聞)

http://chubu.yomiuri.co.jp/news_top/060114_4.htm


2007/11/19

峰久事務次官会見要旨(平成19年11月19日)

平成19年11月19日(月)
14:00〜14:03
国土交通省会見室
峰久幸義

事務次官等会議

  本日の事務次官等会議における当省の関係の案件はありません。私からは以上です。
質疑応答

  (問) 道路特定財源の暫定税率ですが、昨日のフジテレビの報道番組で民主党の小沢代表が高速道路の無料化を受け入れるのであれば、税率維持について考えてもよいと発言されましたが、これについてご所見がありましたらお願いします。

(答) 道路特定財源については、ご承知のとおり、昨年末に「道路特定財源の見直しに関する具体策」が閣議決定されました。その中で、納税者の理解を得つつ税率を維持することが前提ですが、そのために、真に必要な道路整備は計画的に進め19年中に中期的な計画を作成すること、そして、道路料金の引き下げなど既存高速ネットワークの効率的活用等の新たな措置を講ずることなどが決められています。民主党の公約でも高速道路の無料化が挙げられていますが、料金収入で賄うこととしている高速道路の維持管理費の年間約0.3兆円が賄えなくなるのではないか、料金収入を財源としないで債務返済に税金を充てることになれば高速道路を利用しない国民にも負担を求めることになるのではないか、首都高速と阪神高速を除いても約2.1兆円の料金収入がなくなりこれに見合う財源が別途道路整備等のために必要になるとすれば道路整備に重大な支障が生じるのではないか、そして、債務については現行の45年償還よりも償還期間が長くなるのではないかというような課題があると考えています。国土交通省としては、債務の確実な返済、真に必要な道路の整備などのために、やはり有料道路制度の活用が必要と考えています。一方で、都市部への交通集中による深刻な渋滞の解消、地域活性化の支援、物流の効率化等、我が国が抱えている政策課題の対応などの観点を踏まえ、道路特定財源を活用して、料金の効果的な引下げに取り組むべきだと考えています。国土交通省としては暫定税率を維持しながら真に必要な道路整備を進めるという観点から、関係方面に対して幅広く説明を行うとともに、全体として納税者の理解を得られるよう努力していく必要があると考えています。
http://www.mlit.go.jp/jikankaiken/jikankaiken07/jikankaiken.html


2008/5/11

100円稼ぐのに経費186円 借金膨らむ「赤字道路」

2008年05月12日08時07分

 身近な地方有料道路の半数以上が「赤字路線」と化していた実態が、朝日新聞の調査で明らかになった。100円を稼ぐための経費が186円。そんな計算になる不採算道路もある。各地の現状は、「真に必要な道路」は造り続けるとする道路行政に、重い課題を突きつける。

 常磐自動車道から北関東自動車道に入り、東へ約24キロ進むと料金所があった。ここから先は、茨城県道路公社が運営する県道「常陸(ひたち)那珂(なか)有料道路」だ。普通車100円、トラックなど大型車なら150円。通行料は決して高くはないが、周囲の車は次々、料金所を通過せずに、左端に隣り合う出口へと向かった。

 「東日本の新しい国際流通拠点」をうたう常陸那珂港と北関東道を結ぶ自動車専用道路として県が計画。94年に有料道路としての事業認可を国から受け、99年に供用開始した。

 06年度の通行量を見てみると、1日平均9524台が利用する計画だったのが、実際には1割強にすぎない1325台。100円を稼ぐのに諸経費や人件費で186円かかった計算になるという。借金を返すどころか、毎年膨らんでいく状態だ。当初の借金32億5千万円は現在、38億2千万円になった。

 「ここを第2の横浜港にする」。有料道路終点近くの海べりで旅館を経営する黒沢一さん(77)は、地元市議だった父が40年ほど前に当時の茨城県知事から聞かされた言葉を覚えている。同公社の担当者によると、道路の利用低迷は常陸那珂港が未完成のままであることが大きな原因だという。

 同公社が管理する有料道路は7路線。計画交通量を達成できているのは1路線しかなく、常陸那珂を含む3路線は達成率が5割に達しない。

 03年以降、約30人いた職員のうち3分の1をリストラし、沿道の草刈りの回数を減らして経費削減に取り組んだ。しかし努力ももう限界。劇的に交通量が増えない限り、赤字路線は多額の借金を税金で処理せざるを得なくなる。公社担当者は「経済状況の変化などさまざまな原因が考えられるが、見通しが甘かったと言われればそれまで」と話す。

 交通量予測の甘さから返済計画が破綻(はたん)し、税金で借金を処理した例は各地にある。

 山梨県内の有名観光地、清里高原へのアクセス道として98年に開通した「清里高原有料道路」は、見込んだ交通量の3割程度しかない状況が続き、県が道路を買い上げる形を取って借金を処理。税金による出費は約50億円に上った。

 福井県の永平寺へのアクセス道として74年に開通した「永平寺有料道路」も、償還期間の終わった04年時点で18億円余りの借金が残り、県が税金で処理した。

 予測の甘さについて、ある公社担当者は「『期待値』的な側面があるのは事実」と話す。有料道路研究センターの織方弘道代表は「とにかく道路を造るという目的が先に立ち、つじつまの合う数字をはじき出しているケースが多いのだろう。巨額の赤字を生み続ける東京湾アクアラインや本四架橋と構図は同じだ」と指摘する。

http://www.asahi.com/national/update/0512/TKY200805110165.html

山陰地方の旧道路公団の関係者は有料道路が出来ると料金所収受員の雇用が新たに生まれ地域の雇用増加につながると発言していた。
当然ながら雇用効果<赤字額。赤字が当たり前の道路を抱えると感覚が麻痺するのだろうな(ごんべー)


2008/5/12

地方有料道、6割が赤字 76%が需要予測下回る

 全国の地方道路公社が運営する有料道路の約6割が、通行料収入では建設費を返済できない「赤字路線」となっていることがわかった。返済のために重ねた借 金の処理で、最終的に多額の税金を投入することになる恐れが強い。ずさんな交通量予測に基づく道路整備が各地で続いている実態が浮かんだ。

全国39の地方道路公社に、それぞれが運営する有料道路の06年度の実績を取材し、計125路線のデータをまとめた。

 有料道路は、道路特定財源などを原資とする国からの借入金や銀行からの借入金などでまかなった建設費を、完成後原則30年間の償還期間内に料金収入で返 済し、以後は無料開放する仕組み。計画交通量を達成できず、想定した通行料収入が得られないと、新たに返済資金を借り入れる必要があり、雪だるま式に借金 が膨らむことになる。

 各公社によると、06年度の交通量が計画に達しなかったのは125路線中95路線(76.0%)。うち23路線は経費節減で支出を抑え るなどして、建設費の償還計画を守ったが、72路線(57.6%)は、通行料収入では足りず、新たに銀行から借り入れたり、黒字路線による内部留保資金か ら充当したりして返済資金をまかなった。

 交通量の達成率の全路線平均は81.9%。50%に満たなかったのは28路線に及んだ。

  

 並行する県道の渋滞緩和効果を狙って整備した長良川右岸の場合、1日平均8071台の交通量を見込んだが実際には849台。

 借金返済が順調に進み、償還期間を終えた時点で予定通り無料開放できると各公社が見込んでいるのは55路線ある。しかし経済の好転や道路 の知名度が上がることでの利用増を見込んだ回答もあり、期待通りの結果が得られるかは不透明だ。残る70路線は新たな税金の投入や料金徴収期間の延長と いった方策が必要となる恐れが強い。

 これまでに無料開放された64路線の中でも、29路線は当初計画通りに借金を返すことができず、地元自治体が補助金や負担金などの形で 肩代わりし、その総額は500億円を超える。借金が膨らむのを防ぐため、償還期間の途中で大規模な税金を投じ、借金を返済し無料開放した例も少なくない。

 こうした現状は、地元の大規模事業計画と関係していることが多い。計画に伴う交通の増加を見込んで建設されたが、事業が不振で利用低迷に直結していると いう。福島空港のアクセス道に位置づけられた福島空港道路は、空港事業の赤字状態が慢性化。多摩ニュータウンの整備に伴う渋滞解消が目的だった東京都西部 の稲城大橋有料道路も、ニュータウン事業の不振が響いている。

 各地の道路公社でつくる「全国地方道路公社連絡協議会」は、国土交通省や財務省に対し、道路特定財源制度の維持と新たな財政的支援制度の創設を求めている。(松川敦志)

http://www.asahi.com/national/update/0511/TKY200805110139.html


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