札幌高裁判決2008年4月18日

◆キツネ避け事故死、遺族の訴え認める
高速道路に飛び出したキツネが原因で起きた死亡事故ー。責任を巡る裁判で逆転判決です。動物の侵入を防ぐ対策が不十分だったとして、遺族が東日本高速道路などを訴えていた裁判で、札幌高等裁判所は高速道路側に責任があるとして遺族側の訴えを認めました。

裁判所に向う室蘭市の高橋雅志さんと妻の利子さんー。高橋さん夫婦は7年前、長女の真理子さん(当時34歳)を事故で失いました。その現場は、苫小牧市の道央道ー。真理子さんの車が飛び出してきたキツネを避けようとして中央分離帯に衝突、そこへ、後続車が突っ込みました。動物の侵入防止対策が不十分だったとして、真理子さんの両親が東日本高速道路などを相手に9000万円の損害賠償を求めました。一審の札幌地裁は「対策に欠陥があったとは言えない」として訴えを退けました。しかし、きょうの控訴審の判決で札幌高等裁判所は、キツネが頻繁に道路に侵入する場所であるにもかかわらず、十分な対策をしていなかったのは道路の安全性に欠陥があったとして、東日本高速道路に5000万円の賠償金を支払うよう命じる逆転判決を下しました。
(高橋利子さん)「これで亡くなった真理子の命が少しでも報われると思ったら悔しい反面、嬉しい」
現在、道内の高速道路では動物の侵入防止対策として、一部の区間で高さ2.5メートルの柵が設置されています。しかし、シカやキツネなどの動物が車にはねられる事故は年間2千件近く起きていて、去年は4人がケガをしています。
(高速道路交通警察隊・国枝明好中隊長)「野生のシカが全体的に増えていて、高速道路に侵入する数も増加」
札幌高裁の判断は動物とクルマとの事故が後を絶たない現状に対して一石を投じる形になったといえます。
(2008年4月18日(金)「どさんこワイド180」)
http://www.stv.ne.jp/news/streamingWM/item/20080418190520/index.html




事故死は旧公団の過失 道央道にキツネ 札幌高裁認定 「防止策が不十分」(04/19 06:52)

道央自動車道に飛び出したキツネを避けて事故死した女性の両親が、道路を管理する東日本高速道路(旧日本道路公団)などに、総額約八千九百万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が十八日、札幌高裁であった。末永進裁判長は、「事故当時、キツネは頻繁に道路上に現れており、道央道は安全性を欠いていた」として、事故防止策が不十分だったと認定。同社への請求を棄却した一審札幌地裁判決を変更し、同社と女性に追突した男性に対して計約五千百万円を賠償するよう命じた。

 原告代理人の青野渉弁護士によると、高速道路への動物侵入防止対策について、同社の過失を認めた判決は高裁段階では初めて。

 訴えていたのは、事故死した高橋真理子さん=当時(34)=の両親の雅志さん(67)、利子さん(63)=室蘭市=。

 判決によると、真理子さんは二〇〇一年十月、苫小牧市糸井の道央道で、路上に出てきたキツネを避けて中央分離帯に衝突。後続の男性の乗用車に追突され、死亡した。

 高速道路の安全性について、高裁判決は地域の実態を重視。キツネが車にはねられるケースが、事故現場付近では〇一年に六十九件あったことから、「高速運転を危険にさらすキツネが頻繁に路上に現れることは、道路が通常有すべき安全性を欠いている」と判断した。

 その上で、この地区で中小動物の侵入防止柵を設置していなかった同社に、事故発生の責任があると認定した。

 一審判決は「侵入防止柵設置は全国的に普及していたとはいえず、道路管理に瑕疵(かし)はなかった」として同社の責任を否定し、男性にのみ千九百万円の賠償を命じていた。

 東日本高速道路北海道支社は「判決内容を詳細に吟味した上で対応する」などとコメントした。

http://www.hokkaido-np.co.jp/news/society/88104.html





キツネ避け事故死:旧公団に5170万円賠償命令 札幌高裁

 高速道路に侵入したキツネを避けようとして事故死した女性の遺族が東日本高速道路(旧日本道路公団)などに損害賠償を求めた裁判で札幌高裁は18日、同社に約5170万円の支払いを命じた。原告代理人によると、動物侵入による交通事故で道路管理者の責任を認めた判決は珍しい。末永進裁判長は「キツネがしばしば出没することは十分に予見可能だった」として、キツネの侵入防止柵を設けなかった同社の責任を認定した。

 判決などによると、事故は01年10月8日午後8時ごろ、苫小牧市糸井の道央自動車道で発生。札幌市北区の看護師、高橋真理子さん(当時34歳)が乗用車で走行中、路上に出てきたキツネを避けようとして中央分離帯に激突。後続の乗用車に追突され、頭を強く打ち死亡した。現場付近はシカなどの侵入を防ぐ有刺鉄線が張られていたが、キツネの侵入を防止する対策はとられていなかった。

 高橋さんの両親は04年、旧公団と後続車を運転していた男性に計約8920万円の賠償を求めて提訴。1審判決は男性に約1970万円の支払いを命じたが、同社の責任については「キツネ侵入防止柵は全国的に普及していない」と否定した。

 同社は道央道全線に侵入防止柵を設けるには約40億円かかるとして「法的に義務付けられていない」と主張していたが、高裁判決は「通常予測される危険に対応した安全性を備えるべきだ。予算上の制約は責任を免れる理由にならない」と判断した。

 同社北海道支社は「判決の内容を詳細に吟味したうえで対応したい」とのコメントを出した。【芳賀竜也】
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080419hog00m040007000c.html





旧道路公団に賠償命令 キツネ避け高速道で事故死


 北海道苫小牧市の高速道路でキツネを避けようとして事故死した女性=当時(34)=の両親が、道路を管理する東日本高速道路(旧日本道路公団)などに約8900万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は19日までに、同社への請求を棄却した1審判決を取り消し、同社などに計約5100万円の支払いを命じた。

 判決理由で末永進裁判長は、事故のあった平成13年に現場付近でキツネが車にはねられ死亡する事故が69件あったことを認定。「キツネがしばしば出没することは十分に予見可能だった」とした上で「高速道路が通常有すべき安全性を欠いていた」と述べた。

 判決などによると事故は平成13年10月、苫小牧市の道央自動車道で発生。女性は路上に出てきたキツネを避けようとして中央分離帯に衝突。後続の乗用車に追突され、死亡した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080419/trl0804191156002-n1.htm





キツネ避けて高速道で事故死、旧道路公団らに5100万賠償命令

 北海道苫小牧市の道央自動車道で2001年10月、道路に飛び出してきたキツネを避けようとしてスリップし、後続の車両に追突され死亡した札幌市の女性(当時34歳)の両親が、東日本高速道路(旧日本道路公団)などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が18日、札幌高裁であった。

 末永進裁判長は「高速運転を危険にさらすキツネが高い頻度で本線上に現れること自体、道路として安全性を欠いている」として、1審・札幌地裁判決を変更し、同社と追突した後続車両の運転手に対し、総額約5100万円の支払いを命じた。

 事故が発生した道央道苫小牧東―苫小牧西IC間は、キツネが頻繁に道路を横切り、同社は「動物注意」の道路標識と有刺鉄線を設置していた。末永裁判長は「運転者が、出没しないかもしれない動物の出現を予想して低速で走行することを期待することは現実的でない」とした。

 東日本高速道路北海道支社の話「判決を詳細に吟味した上で対応する」
(2008年4月19日11時36分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080419-OYT1T00346.htm




キツネ避け高速道で事故死 旧道路公団に賠償命令

 北海道苫小牧市の高速道路でキツネを避けようとして事故死した女性=当時(34)=の両親が、道路を
管理する東日本高速道路(旧日本道路公団)などに約8900万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は19日までに、同社への請求を棄却した1審判決を取り消し、同社などに計約5100万円の支払いを命じた。

 判決理由で末永進裁判長は、事故のあった2001年に現場付近でキツネが車にはねられ死亡する事故が69件あったことを認定。「キツネがしばしば出没することは十分に予見可能だった」とした上で「高速道路が通常有すべき安全性を欠いていた」と述べた。

 判決などによると、事故は01年10月、苫小牧市の道央自動車道で発生。女性は路上に出てきたキツネを避けようとして中央分離帯に衝突。後続の乗用車に追突され、頭を強く打ち死亡した。

 両親は同社と後続車を運転していた男性に賠償を求めて提訴。札幌地裁は昨年7月、男性だけに約1900万円の支払いを命じ、同社の責任は否定した。
(共同)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2008041901000318.html



キツネ侵入で事故死、道路公団に過失 5千万円賠償命令

 高速道路に飛び出したキツネを避けようとした運転者が事故で亡くなったのは侵入防止策がとられていなかったからだ――。事故死した札幌市の女性(当時34)の両親が東日本高速道路(旧日本道路公団)などに損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、札幌高裁は18日、こんな認定をした。旧公団の責任を否定した一審・札幌地裁判決を変更し、同社などに約5100万円の支払いを命じた。

 事故は01年10月、苫小牧市の道央道で起きた。キツネを避けた看護師高橋真理子さんが分離帯に衝突。後続車に追突され亡くなった。札幌地裁は「動物注意」の標識が設置されていたことなどをとらえ「安全性を欠くとはいえない」と判断した。

 しかし、札幌高裁の末永進裁判長は、現場付近の高速道でキツネがはねられ死んだ事例が01年、事故時点で46件起きていたことを重視。「高速運転を危険にさらすキツネの出没が頻繁にあること自体、安全性を欠く」「入り込めないさくで防止できたはずだ」と旧公団の過失を認めた。

 高橋さんの母利子さん(63)は「娘は命を救う仕事をしており、動物も同じという思いでキツネを避けたのだと思う。娘を失い、そうした考えは間違いなのかと悩みながらの裁判だった。同じ過ちが繰り返されないよう、対策を望みます」と話した。(霜田紗苗)

http://www.asahi.com/national/update/0419/TKY200804190156.html


高速道路の思い出